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第28回特別展 生誕120年記念 濱田庄司

第28回特別展 生誕120年記念 濱田庄司

生誕120年を迎えた陶匠 濱田庄司(1894‐1978)。自らが歩んだ道を「京都で道を見つけ、英国で始まり、沖縄で学び、益子で育った。」と述懐しています。本展では、日本民藝館が所蔵する濱田作品を中心に、作陶の糧とした蒐集品など約200点を展示し、濱田の仕事を「手(創作)」と「眼(蒐集)」の両面から紹介します。さて、濱田は、現在の神奈川県川崎市に生まれました。1913年に東京高等工業学校(現・東京工業大学)の窯業科に入学。同校では、2年上級の河井寛次郎と親交を結び、卒業後は河井と同じ京都市陶磁器試験場に入所しました。この時期、個展会場で知り合ったバーナード・リーチを千葉県我孫子の柳宗悦邸に訪ね、その折に柳とも知遇を得ました。1920年、職を辞してリーチと共に渡英。3年半にわたる英国での生活は、良き仕事を支える暮らしの大切さを認識する契機となりました。また、日用雑器としてのスリップウェアの発見も、濱田にとっては大きな収穫となりました。ロンドンでの個展を成功させて濱田は、関東大震災の知らせを受け、1924年に帰国し、京都の河井家にしばらく逗留しました。ちょうどその頃、京都に転居していた柳は、濱田の仲立ちで河井と親交を結びます。そして程なくこの3人によって、日用雑器の美を賞揚する「民藝」という概念が世に提示されていったのです。その後、濱田は関東を代表する民窯の地、栃木県益子に生活の拠点を定めました。そして自らの眼で蒐集した古今東西の品々を創作の糧にしながら、日本はもとより、各地の陶技を用い、用に即した簡素で重厚な作風を確立していったのです。1952年、柳やリーチと共にダーティントン国際工芸家会議に参加して、欧米への民藝思想の普及に貢献。1955年、第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。1961年には柳宗悦の跡を継ぎ日本民藝館の2代目館長に就任。1968年には、文化勲章を受章しました。そして、1977年には、益子の自邸・工房の一部を活用し、自らが作陶の参考とした品を多くの人にも「参考」にしてほしいとの願いから、益子参考館現・濱田庄司記念益子参考館)を開設しました。さて、濱田は自身を終生「陶工」と称しておりました。そこには、無名の工人の手になる無垢の美を理想に掲げた、民芸美論の実践者としての姿が見て取れましょう。

開催期間
2015年10月06日(火)
〜2016年01月30日(土)
観 覧 料
一般300 円 高大生 200 円 中学生以下、 豊田市内在住・在学の高校生、70 歳以上の方、障がい者は無料(要証明書)
会  場
第1・2民芸館

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