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展覧会

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第25回特別展 東北の工芸と棟方志功

第25回特別展 東北の工芸と棟方志功

自然風土は民藝の生みの親であり、美の母胎である。青森の生んだ世界的な版画家棟方志功(1903-1975)も、東北の豊かな自然風土から美の滋養を汲み取り、生命感にあふれる作品の数々を世に送った。見る者を驚愕させるその独創的な板画(はんが)(板から生まれた板による画という意)作品は、まさに純粋無垢な魂の発露ともいえよう。
 豪胆な構図や豊潤な色彩で知られるが故に、直情的な感性の持ち主として棟方は語られる。しかし、実際の棟方は深い洞察力を備えた、万物への畏れや敬虔な祈りを心に宿す人物で、それらを根底として自らの芸業を支えている。
棟方にとって、これらの作品そのものが故郷への「祈り」であった。東日本大震災から一年。未だその災禍に苦しむ東北の地に、棟方志功の深い鎮魂の想いが届くよう、心から願ってやまない。
東北の工芸では、民窯(久慈焼・平清水焼・白岩焼・楢岡焼・会津本郷焼・堤焼等)、蓑・けら・背中当などの編組品、南部菱刺し・津軽こぎん・被衣(かつぎ)などの染織品、樺細工や漆工品など、誠実な仕事と丹念な手技による東北各地の諸工芸の優品も展示される。
 伝統を大切にする堅実な暮らし振りからは、実に豊かな工芸文化が生まれた。健康的で力強さに溢れるその固有の造形美は、まさに日本列島の北における「民藝の宝庫」を見る思いがする。

開催期間
2012年09月11日(火)
〜2012年12月02日(日)
観 覧 料
一般300 円 高大生 200 円 中学生以下、 豊田市内在住・在学の高校生、70 歳以上の方、障がい者は無料(要証明書)
会  場
第1・2民芸館

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